吉田さん(仮名)営業会社に30年前に社員で就職
お電話から一週間後に吉田さんおひとりでおこしになりました。
お越しいただいた吉田さんは63歳で実年齢よりもなお老けて見えました。
本当に人生に疲れてる様子でした。
奥さまは4才年下で、結婚して25年だそうです。
初めて吉田さんの実家で3年ほど暮らしていたのですが、子供ができたので、
家を出てマイホーム購入を決意されました。
25年前に大手不動産会社から2000万円の中古マンションを購入。
間取りは3LDK。
家族は妻と子供一人3人で生活していました。
12年前に大手不動産会社から1800万円の中古マンションを住み替えローンで購入し
今ある残債も含め700万が上乗せされ、ボーナス30万円支払いで、月々の支払いを抑
えました。支払いは55000円で管理費積立金駐車場代いれて25000円アップで
月々80000円の支払いでボーナス30万円でした。
生活はそれほど苦しくはなかったし、週1回は外食もでき年1回旅行もいける状態でした。
その生活が一転したのは、定年退職でした。
3年前から定年退職、関連会社に契約社員で今も勤めておられます。
今まではボーナスが年60万円もらえていたので、支払いもできたのですが
、
契約社員ではボーナスはなく、退職金などを使って住宅ローンの支払いにあてがってまし
た。
奥さまも4年ほど前からパートで週に3日働いておられます。
が住宅ローンの支払いが追い付かず、
お子さんが7年前に難病の病気にかかり、週に2日通院しなければいけないのでお金もか
かり、カードローンを次々申し込みキャッシングで穴埋めしてきました。
カードローンも限度額があり、10枚ぐらい作ったあとは、カードローンが使えなくなり
ました。
新規申し込みもできませんでした。
あとは、借金の返済で、借りて返しての繰り返しでどんどん借金が膨らんでいきました。
知らぬ間に借金総額は3年間で、800万円にも膨らんでました。
ただでさえ大変な時に住宅ローンの支払いなどもできず、ずるずる延滞を重ねていき、督
促が何度も自宅に、会社に電話が鳴る一方で、精神的に参ってきた時に少しうつ病になり
かけて、精神病院に何カ月か通院していました。
今も、精神的にはしんどい日々が続いていました。
本当に話をきいてあげるだけでも、精神的に落ち着く人が多いので、内容を事細かにきい
てあげることを優先しました。
気持ちの落ち着きがまず第一の仕事。
そこから、その方の人生がスタートするのです。
支払いも延滞延滞が続き、カードも使えなくなり1年が過ぎたころ、裁判所の執行官が
自宅を見せてほしいとの連絡があり自宅の調査が行われました。
その後3カ月後に裁判所から
≪競売決定通知書≫が自宅に届きました。
「それであわててどこに相談していいのか分からないところにDMが届いたので、急ぎ
電話をしました。
自宅にはもう執着もないので、競売になってもかまわないので、
売却できるまで自宅には居座ります。」
とのことで話はまとまりました。
「12年間住み慣れた自宅を離れるのはさびしいものです」とぽつりと吉田様がささやい
た言葉が心に残りました。
借金の件は弁護士に相談して、まずと家のことと自己破産か個人再生の手続きを同時に
始めることにしました。
まず弁護士と3~4回ほど面談をし、吉田さんにとって一番いい方法が自己破産だったの
で薦めることにしました。
自己破産の手続きで進める方向で話がつき、生活設計シートや生活環境・借入額などなど
自己破産の手続きを行い3ヶ月後に自己破産の手続き完了と同時に免責も降りて借金はす
べてなくなりました。
競売が開始され物件購入者さんが、自宅に訪問され、
引っ越し代と次の賃貸の権利金を出してもらえるとのことで
やっと落ち着いた生活ができると喜んでいます。
1週間後、引っ越しの手続きも無事に終了し、
ほんとうに、ほっとひといき、
人生の再スタートができたことが、本当に喜ばしいことです。
精神的にも余裕ができ、借金の心配もなくなったことでうつ病も少しづつ改善していきつ
つあります。