父の介護④父が見ている世界。

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いつもありがとうございます。嫁のMです。
一人暮らしをしてる父の様子を、先日より綴らせていただいています。

今年の2月に入ってから、父は時間の感覚がなく、日のほとんどを寝て過ごし起きたら朝、と思って朝ごはんを何度も?食べるという日が続きました。
薬もそのたび飲んでしまうので、危ないのでケアマネさんからの助言もあって私が持って帰り毎日一日一回目の前で飲んでもらうようにしました。
私以外に、兄とヘルパーさんにも協力してもらい週に3回はお願いするようにしました。
父がわからないところに薬を隠し、1日ごとの薬を1つの袋に入れ付箋で日付を張って、それを1週間分その場所において父に飲んでもらうよう兄とヘルパーさんに伝達しました。

最初薬を持って帰るというと怒りだし「なんでや!俺はずっと15年もこうやってきたんやぞ!なんで持って帰るんや!」
などといい、ききません。そもそも15年もこの薬飲んでないやん(-.-)おいおい・・・
仕方ないので、次の日に「お医者さんがな、薬の調整したいというから一旦持ってきてっていわはるからもってかえるわ」といって撤収。
実際、このころ血尿が出たということもあってちょうどよかったんです。

仏壇のローソクや線香も撤収。その時も「俺、ちゃんとできる!ちゃんと気を付ける!」とめっちゃ怒りましたが、
「最近独居老人の火事がすごい多いねん!お父さんが焼け死ぬだけで済んだらええけど他の人の家も全部燃えるんやで!絶対あかん!」
と、兄と説得して撤収。毎日仏壇に向かってお祈りするのが日課なので、仕事終わった後急いで代わりに100均でLEDで突くローソクと線香を買って持っていくと、
「わ~~~こんなええのがあるんか!知らなんだなあ」と気にいったご様子。
私の主人にやり方教えてもらって上機嫌。ちょっと一安心です。
ダイソー ありがとう!!

父はすぐに眠たいと言い、子供のようにすごい寝ます。
ネットで調べると、初期の認知症状の一つだという情報もありました。

時間がわからないので夜中の1時や3時、朝の5時ごろでも平気で私に電話してきます((+_+))
「今何時や?え?夜中なんか?ごめんごめん」と言いながらしゃべってきます。
こっちは頭ぼ~っとしてるので返事もぶっきらぼうなんでしょうね。
「なんやしんどいんか?」など言ってきます( ゚Д゚)あたりまえや!!寝てるとこ起こされてシャキッと話せるわけないやろ!!
正直、めっちゃ疲れますがそんなこと言っても仕方ありません。

先日、父の家に行ったとたんに、こわばった顔で

父:「今日は何曜日や」
私:「日曜日」

父:「え?なんでや!月曜日やろ?みんなおかしいんちゃうんか?俺がおかしいんか?」
私:「俺だけがおかしいと思うで、今日は2月17日(日)。新聞にもそう書いてるやん。」
父:「なんでや、どうしよう・・・どうしたらええ?お前今日は何しに来たんや?」

私:「いや、どうもせんでええやん。あ、洗濯もん片づけてくれたんや!すごいやん!お父さん!まあ、時間はわからんかもしれんけど
   お父さん、いっぱいできることあるやん、歩けるし、洗濯もできるし掃除も今までしてきたし、ご飯も食べられるやん!」
父:「そらそうや、何年じぶんでやってきたと思てんねん。プロやで!」上機嫌です(^^)

父:「そうかあ、俺が思てるんと、他の人はちがうんかあ・・・、俺はてっきりみんなが間違いで皆なにゆうてんやろあほちゃうて思てたわ。」

この一言で、私はふと「そうか、父の目にはそんな風に感じ見えてるのか」と思いました。

私:「お父さん、そんな風に思てたんか、へ~~~!なるほどなあ、世の中何が正解で間違いなんかわからんけど、
   一応世間では、今日は日曜日ってことになってるねん。」

父:「そうなんか、わかった。で、今日は何すんのん?」・・・

私が作った蕎麦を食べながら、
父:「あんな、銀行の筋にある蕎麦屋さんな、いっぱい種類があってな、試しで買う事できんねんで。」
私:「?・・・多分それ、お茶屋さんやん。」
父:「それそれ、お茶屋さん」

父:「あんな、お茶はこうやって蒸らしたら美味しいんやで。」と、たまにまともなこと言うてみたり

父:「宝くじ当たったら、お前らに分けたるからな。」宝くじ買ったことだけはしっかり覚えてます。(*_*)

父:「俺は幸せやなあ、子供らに大事にしてもろうて、好きなこと言うて、もういつ死んでもええわ。」
私:「そりゃあ良かったわ、何あほなこと言うてんのん」

この日はこんな平和な?やり取りが続きました。