相続放棄しても、空き家からは解放されない?

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今、テレビ番組でもよく取り上げられてる、「空家問題」ですが、

よくあるケースとして、子供さんたちはもう独立して実家に長年親が住んていたが亡くなって、子供さんたちご遺族(相続人)が相続するという場合です。
もし、親御さんが借金を抱えていたりすると「相続放棄」すれば、親の借金は子には実質いかないというのが普通なんですが、
家もそんなに価値ないし、一緒に放棄してしまえ!となりそうですが、ちょっと待ってください!
これが、家の場合ちょっと問題があるのです。

相続が発生した場合に、相続人の選択肢は単純承認、限定承認、相続放棄の3つの選択肢があります。

単純承認とは被相続人(亡くなられた方)の預金や不動産などのプラスの資産だけでなく借金などのマイナスの資産を全て相続することです。
限定承認とは相続財産の範囲内で相続負債を支払って余れば承継することができるという制度です。
相続放棄とはその名の通り、相続を放棄して全ての財産(空き家、借金も含む)を相続しないことをいいます。

この相続放棄をしても、全部がチャラになるかというとそうではなく、親の死亡により空き家になってしまった実家の管理義務は残念ながら残ってしまうのです。

そのような場合の規定が民法940条第1項に以下のように定められています。
『相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。』

つまり相続放棄をしたとしても、空き家の管理をしなくても良いということではありません。
次の所有者が決まるまでの間、老朽化が進まないように注意して管理をしていく必要があります。

何のための相続放棄やねん、と思ってしまうのですが民法で決まってるのでどうしようもありません。
今の空き家問題で逃げられへんようにしたかのような法律ですね。
民法は古いのでね、最近決まったわけではないとは思いますが・・・

また、相続放棄を行えるのは相続開始を知った時(親御さんが死亡したことを知ったとき)から3か月以内という期限がありますので、
その点にも注意が必要です。

関係ないですが民法は、やたらと「知ったときから」というフレーズが多いです。時効なんかもそうです。

相続放棄した実家が「特定空き家」になってしまった場合、市や自治体から子供さんたちに「何とかしてくれ」と恐ろしい?督促状が届きます。
崩壊寸前の空き家が原因で、もし通行人がけがをされたり、小さい子供さんに万が一のことがあっては大変です。
それに、放火などで火事になってしまったら・・・!
損害賠償問題に発展しかねません。そうなると膨大な賠償金を支払わなくてはなりません。
それに比べたら、解体費の方が安くは済みます。
この場合、相続放棄した子供さんたちがお金出して解体なりしないといけなくなってしまいます。
こないだ、「空き家解体」みたいなテレビの特番でも実際そういったケースでお子さんが解体されてましたね。

相続放棄してしまってると、所有者ではないのでその物件を売ったりすることもできません。
そこがまたややこしいところです。

相続問題は、慎重に行いたいですね!

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