子供の数に応じ5年刻みで金利引き下げ

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更新日:2024/01/10

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子供が健やかに成長できる環境整備を通じた少子化対策の推進施策の一環として、2023年度補正予算で子供の人数に応じて金利を引き下げる「【フラット35】子育てプラス」の創設が盛り込まれました。固定金利を検討している方にとっては朗報となるこの商品について、今回は簡単にお話ししようと思います。

子供の数に応じ5年刻みで金利引き下げ

フラット35には、すでに住宅の環境性能や維持保全への配慮、自治体との連携などで条件を満たせば金利を引き下げるものがいくつかあります。新設する「子育てプラス」はこれらの金利引き下げメニューと併用できます。合わせて、既存のメニューだと最大で年0.5%だった金利引き下げ幅を最大で年1%に拡大します。子供の人数に応じてポイントを付与するほか、子供がいない若年夫婦世帯にも1ポイントを付与します。これを既存メニューと組み合わせることで付与ポイントが増え、5年刻みで借入金利を最大1%まで引き下げることができるようになります。

たとえば、18歳未満の子供が2人の子育て世帯なら2ポイント、フラット35S(ZEH)で3ポイント、維持保全型(長期優良住宅)で1ポイント、地域連携型(子育て支援)で2ポイントとなりますが、これらを併用すれば合計8ポイント獲得できます。1ポイントあたり5年間は金利が0.25%引き下げられ、最大で1%下がるため、8ポイントあれば当初10年間は借入金利が1%下がります。

子供がいない夫婦も利用可能な場合も

今回の新商品は、子育て世帯と若年夫婦世帯に対するものです。ここで子育て世帯とは、借入申込時に18歳未満の子どもがいる世帯となりますが、子どもは胎児であっても適用されます。また、孫でも構いませんが、孫の場合、借り入れる人と同居する必要があります。ですから、お孫さんと同居する祖父母がこの制度を利用できるということになります。

また、若年夫婦世帯とは、借入申込年度の4月1日において夫婦のいずれかが40歳未満である世帯が条件となっています。夫婦には同性パートナーも含まれます。つまり、必ずしも子供が条件とはなっていないのです。若年夫婦世帯ならそれだけで1ポイント獲得できますので、例えばフラット35S(ZEH)を併用すれば、合計で4ポイントとなり、当初5年間は1%の引き下げを受けられることになります。

金利変動リスクが気になるなら検討対象に

先の例のように8ポイント獲得できた場合で、借入額4000万円、借入期間35年、固定金利1.96%(23年11月時点の最頻値)、元利均等返済、ボーナス返済なしで考えると、利息負担を含む総支払額は5132万円となります。同じ条件で年0.345%の変動金利で借り、この利率が借入期間中に一切変動しなかった場合、総支払額は4247万円となりますから、どうしても変動金利に目が向いてしまうのは仕方ないかもしれません。しかし、目先の金利の低さだけに注目し、金利変動リスクを考えずに変動金利を選ぶのは避けたほうがよいと筆者は考えています。

例えば、変動金利タイプでも金利が上昇し、6年目から返済金利が1%、11年目以降は2%となれば総返済額は5026万円に上がります。そこまで金利は上昇しないと考えているか、あるいは上昇してもこの程度が限界で、上がったとしても元本と金利支払いに問題はないと考えたうえで変動金利タイプを選択するのであればよいと思います。一方、このように検討したうえで、いつ金利が急騰するか不安なままでいることが嫌という方ならば、金利引き下げ幅が拡大された今回の商品を選択することは合理的だと思います。

24年2月から開始

フラット35子育てプラスは、固定金利派の方にとってはよい制度だと思います。補正予算成立を受けて24年2月13日の資金受け取り分から適用開始となります。